今回はアメリカで企業に応募する際の面接対策です。
企業への応募方法に関しては【企業への応募編】(アメリカでの就職活動に関して【企業への応募編】)をご参照下さい。
また、面接のプロセスに関しては、日本で外資企業に応募される場合も同じようなプロセスになると思います。
簡単に私の経歴ですが、アメリカ在住歴10年以上、大学院留学を経てアメリカで会計事務所に就職。
その後、日本に本帰国・転職し、現在は駐在員として再びアメリカに住んでいます。
駐在先の企業では担当部門の採用に関わっている他、新たな部門の立ち上げにも関わった事があり、採用者の観点からお勧めする対策をご紹介します。
面接対策は下記3つです。
プロセスを理解する
履歴書提出
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電話でスクリーニング(採用部門の担当者・責任者)
↓
1次面接(採用部門の責任者との面接)
↓
2次面接(より上位者との面接・人事との面接)
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バックグランドチェック(学歴の確認や、犯罪歴の有無等)
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内定
面接の回数は会社やポジションにより異なります。
10年以上住んでみて感じるのは、アメリカでは「見た目」もとても重要なポイントとなります。
履歴書を含めて、見た目も重視する。
その為、履歴書に関しては内容もさることながら、見た目も重視しましょう。
アメリカの場合、日本と異なり履歴書に写真を貼る事は有りませんでしたが、最近では写真やLinkedInのアドレス等を記載した、個人ポートフォリオのような履歴書を見る機会も増えてきました。
また、採用の際(私も含めて)には、候補者のSNSをチェックすることもあります。
特にLinkedInは必ずチェックしますので、アカウントをお持ちであれば、履歴書と内容に齟齬がないようにする必要があります。
可能であれば、履歴書はアメリカ人に内容をチェックしてもらうことをお勧めします。
職歴が無い学生の方は、ご自身が所属されている学部で色々なSociety(クラブのような組織)があると思います。
私も大学院時代は、会計部門にあったAccounting Societyに所属していました。
この他にインターンシップを経験するなど、履歴書に記載できる項目も大学時代にいくつか経験しておくことをお勧めします。
履歴書をクリアすると、次は募集ポジションの直接の上司になる人の電話スクリーニングです。
ここでの質問は、ポジションと応募者のスキルの整合性を確認する内容が中心です。
ここまでが、スクリーニングというプロセスで、次は面接となります。
採用部門の責任者との面接が一番重要。
1次面接は多くの場合、電話スクリーニングで話した部門の責任者ですが、この面接が一番重要です。
企業は、各部門の責任者からの依頼で採用をしている為、この人に「採用したい」と思わせることが最も重要です。
次のステップとして、より上位者との面接がある場合もありますが、採用部門の責任者の意見が優先されるケースが殆どです。
尚、人事との面接は、主に現在の年収や始業開始時期等の事務的な内容確認がメインとなります。
良く聞かれる質問の準備をする
面接では、採用部門の責任者との面接が一番重要と書きました。
その為には、とにかく面接の準備が大切です。
日本でもお馴染みの求人情報サイトIndeedによると、アメリカの面接でよく聞かれる質問は下記のようです。
- What experiences and skills make you a great candidate for this position?
- What do you look for in an employer?
- Describe a major workplace problem you’ve encountered and how you handled it.
- What qualities make you a team player?
- What are your career goals, and how do you plan to achieve them?
(出典:https://www.indeed.com/hire/interview-questions?)
私は現職で年間10件ほど面接します。
採用する側からすると、一番重要視するのが応募者がチームプレーヤーかどうか、です。
企業が人の集まりである以上、多くの企業で同じ考えだと思います。
スキル面に関しては電話スクリーニングと履歴書で、ある程度確認可能です。
上記の「 What qualities make you a team player? 」のように、直接的に応募者に質問することもあります。
また、応募者に「過去の成功体験は何ですか」と質問すると、主語に「I (私)」ばかりを連発する人も注意するようにしています。
この時の回答が「自分はチームの一員で、どのようにチームに貢献した~」、という回答の方が、チームプレーヤーかどうか、という観点からは◎です。
もちろん、職種によっては100%個人プレーの職種もあるかもしれません。
ただ、社外の顧客等も含め、一人で完結する仕事はかなり稀だと思います。
また、通常、面接開始直後に「Tell me about yourself」「Please walk me through your resume」といった、質問をします。
この質問に対しては、出来るだけ簡潔に数分以内に自己紹介とご自身の経験を回答出来るようにしましょう。
ここでダラダラと時間を費やしてしまうと、実務でも何か質問をした場合、的を得た回答が返ってこないのではないか、と心配になります。
最後に、応募する企業のことは最低限調べて行きましょう。
「何故、弊社で働きたいのか?」「弊社のことをどのように知ったのか?」に対する質問に対して、回答できない応募者が意外と多いです。
面接する側からすると「この人、ヤル気があるのか?」と感じてしまいます。
服装に気を付ける
迷ったら、より”Overdress”な服装で。
何度も見た目の話で申し訳ないのですが、面接の服装に迷ったらOverdressな服装を選びましょう。
例えば、男性であればネクタイの着用ですが、迷ったら着用スベキです。
複数の候補者が拮抗している場合、このような小さな差が候補者の”真剣度”の差として優位になることがあります。
私は日本企業とアメリカ企業どちらでも働いたことがありますが、Manager位の役職以上になると、(男性の場合)普段から職場でのジャケット着用率はアメリカの方が高いように思います。
アメリカでは普段から体を鍛えている男性が多いのも、何となく見た目重視文化の影響か、と感じます。
たかが”見た目”と感じるかもしれませんが、些細なことまで気を遣える人、という印象を与えれます。
まとめ
以上、まとめとなりますが、アメリカでの面接対策では、
- プロセスの理解
- よく聞かれる質問の準備
- 服装に気を付ける
でした。